民主党参議院議員

神本みえ子

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自由の風よ吹け

 

自由の風よ吹け

子どもたちのいる場所に 私たちの社会に

 

定価:本体1500円+税

判型:四六判並製252頁

発行日:2013年6月

発行:八月書館出版

 

ISBN978-4-938140-83-0 C0036

[書評]

平和を求めて教員から政治家へ

戦後民主主義下のある女性の生きざま

 

評論家 山辺祐之


教員一家に生まれ、長年、福岡県内の小学校教師を務めながら、日教組の文化局長にもなり、2001年からは民主党比例区の参議院議員としても活躍している著者の半生記。素朴な語り口で、戦後民主主義的価値観を守ろうとしてきた「生きざま」を綴っている。売れっ子の評論家の内田樹・神戸女学院大学名誉教授との対談も収録されている。

福岡市の東南、隣県の鳥栖市に近い三輪町(現筑前町)に生まれた著者は、のどかな田舎で大らかに育った。小学校まで4キロの道のりを歩いて通う「当時の日本の田舎にはありふれた日常」だった。

祖父母も教員、父は結核を患い、長い闘病生活を余儀なくされ、小学校教員の母が一家を支えた。教員養成専門の大学で音楽を学び、3年間の横浜市での小学校教員生活を経て、郷里の福岡県に戻った。当時は、右傾化が進む一方の今の日本と違って、労働組合運動が「平和教育」を推進しており、著者もナチスの蛮行のシンボルだったポーランドの「アウシュヴィッツ収容所」や、「アンネの日記」が書かれたオランダの「アンネの家」などを訪ねるツアーに参加したりしていた。戦前の軍国主義教育について母を追及したりしたが、母も兵役に取られて帰国しない夫の身を案じ続けていたことを知ったのは、母の葬儀の時だったという。

児童たちの作文集を出したり、養護学校の義務教育化反対運動の一環として、障がい児の受け入れを経験したりし、1991年には福岡県教組の専従に。当時の一大社会問題だった「いじめ」について、子どもたちの意見を聞く「こども会議」を企画したりした。

2001年に、民主党の参院選比例区の候補に選ばれる。「女性の参院議員を」という当時の日教組の方針で、女性執行委員だった著者にお鉢が回ってきたのだった。平和運動に関わった経験を生かそうと、この年に起きた米国のアフガニスタン戦争に日本がコミットすることに反対を貫き、自民党政府の有事関連3法案について、民主党の「賛成」方針に同調できず、採決で棄権し、「参院国対副委員長なのに」と役職停止処分を受けた。内戦と米国の攻撃で国家としての機能が麻痺していたアフガンの、「女性と教育」問題を視察に訪れ、「日本は平和憲法を生かして、わが国の平和と安定を実現してほしい」と現地の人に訴えられた。

従軍慰安婦問題にも積極的に取り組み、被害女性の名誉回復のための法案を提出したが、この問題は、領土問題も絡んだ最近の反韓国ムードの高まりの中で、宙に浮いたままとなっている。

戦後民主主義世代の象徴のような生き方を貫いてきた著者だが、現在の日本は、こういう価値観を真っ向から否定するネトウヨら排外主義者の乱暴な議論が大手を振ってまかり通っており、憲法改正によって、こうした平和主義を含む「戦後民主主義的価値観」を全て水に流して、戦前の大日本帝国時代を彷彿とさせる「国家主義・強権主義・軍事大国主義」に戻そうという動きが強まっている。基本的人権や男女平等についても、さまざまな規制をかけ、「個人より家族」という前近代的な価値観を打ち出し、全体主義的な国家建設を目指す動きも活発だ。

何より、A級戦犯容疑者だった岸伸介・元首相の孫の安倍晋三現首相が、そういう政治路線を「レジームチェンジ」などと言って懸命に追求している。

戦後民主主義の成果は、この国会体制の転換を目指す動きに呑み込まれて、無に帰してしまうのか。著者の所属する民主党は再建できるのか。

厳しい時代に著者の一段の奮闘を願う支持者は少なくないだろう。


ご希望の方は、神本美恵子事務所まで

Tel. 03-6550-1119 / info-kamimoto@kamimoto-mieko.net